海外4カ国で生き延びた30年

【第1話】序章 ー プロローグ ー

「まだ、人生の途中です」

フィリピンの首都、マニラでの暮らしをはじめて、早4年。

平日はひたすら仕事に全力投球、週末は早朝7時、お気に入りのカフェの開店時間に駆け込み、窓ぎわの特等席をゲットしたら、ゆっくり美味しいコーヒーで充電タイム。そのあとはスーパーマーケットでの買い出し・・・

そんな、ありふれた日常です。

SNSで見かけるような華やかな海外生活でもなければ、自由気ままなリタイア、ましてや、FIRE生活などでもありません。

50代前半の今も、私は、地味~に普通の会社員として働いています。

もちろん、老後のこと、お金のことも気になる。

健康のことも気になる。

この先、いつまで働けるのだろう、と考えることもある。

むしろ無我夢中で走りっぱなしの若い頃より、見えているものが多くなりすぎて、現実的な悩みは、増えているのかもしれません。

それでも不思議なことに、今の方がずっと気持ちは穏やかです。

昔の方が、未来への期待は大きかったはずなのに。



なぜなのだろう。

そう考えた時、私はふと、自分のこれまでの人生を一度、洗いざらい、棚卸してみたくなったのです。

大学卒業後、思い描いていたキャリアには進めませんでした。

就職活動にも散々、苦労しました。



そんな時、「いっそ海外へ出てみたら、何かが変わるかもしれない」と思ったのです ーー

オーストラリアへ飛んだ時は、人生が変わると思っていた。

ベトナムへ渡った時は、今度こそキャリアが開けると思っていた。

いったん、日本へ戻って作戦練り直し。

その後、マレーシアで20年近い年月を過ごし、

今はフィリピンで人生後半の居場所探しを続けている。

振り返ってみると、私の人生は決して平坦でも一直線でもなかった。

迷ったことも、遠回りしたこともしょっちゅう。

「こんなはずじゃなかった・・・」

「あぁ、これでもう人生詰んだ・・・」

と思ったことも、一度や二度ではない。

それでも、今こうして振り返ってみると、その時々の選択という、点と点がつながって、初めて一本の線として見えてきたのです。

この記録は、キラキラ成功体験ではありません。

人生を変える方法を、ライフコーチング的にお伝えする、講座のようなものでもありません。

ただ、一人の普通の独身アラフィフ日本人女性が、時代や環境に振り回されながらも、その時々で何を思い、何を選び、ここまで歩いてきたのか。

そして同時に、この先の日々をどう創っていこうか?

そんな自分自身の答えも探していく、人生旅の記録でもあります。

もし今、

「このままでいいのだろうか」と立ち止まっている方がいるなら。

あるいは、

「人生は思い描いた通りには進まない」と知りながらも、それでも次の一歩を探している方がいるのなら。

遠回りだらけだった、私の半生が、同じように人生の途中で立ち止まっている誰かの、ささやかなヒントになれれば、嬉しいかぎりです。

まずは、すべての始まりだった20代の頃のお話から、少しずつ書いていこうと思います。

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